第44章
パ丨シ丨大尉はワイス少佐の旧友で、ひょろりと背が高く、ふさふさした金髪と明るい茶色の目をした若者だ。彼がなにか冗談をいったのか、楽しげな笑い声が上がる。﹁
しょう。ただ||﹂ 王妃の瑠璃色の瞳が王を見上げ、そのまなざしを受けて、王はおもむろに言葉を継ぐ。﹁相手がフィ丨ンならば、夜明けまでも踊れよう﹂ 王はユナに手を差し伸べ、ユナは手を差し出した。王の手が彼女の手にふれる。そのとたん、ユナの身体は羽のように軽くなり、一瞬のうちに流星のような光に包まれて、王の腕の中で踊っていた。 いつのまにテラスに出たのか、頭上は降るような星空。楽師たちの演奏に合わせるように、吹きゆく風も、やさしい旋律を奏でている。 ユナの心はふるえた。 エルディラ丨ヌでこれほどあたたかく迎えられながら||あるいは、だからこそいっそう、密かに抱いていたひとつの思いが、その心に影を落とす。 預言を
ユナは王に目を戻した。 王の瞳は宇宙の
﹁悩みごとは解決した?﹂﹁ええ﹂﹁よかった﹂ルドウィンはいい、遠い空に目をやった。﹁いまごろウォルダナでも、終戦と夏至の夜を祝っているな﹂﹁そうね﹂﹁平和会議が終わったら、ヨルセイスが送ってくれるそうだ。フィ丨ンの帆船なら、陸路よりずっと早い。来月のなかばには、ぼくらもあの空の下にいるよ﹂﹁ほんと?﹂﹁ああ﹂ルドウィンは笑顔でうなずく。 不意に、切なさがこみあげた。 待ち望んだ帰郷。けれど、それは同時に、ルドウィンとの旅が終わりに近づいていることを意味する。自分でも驚くほど心が揺れ、ユナは動揺を隠すために、さりげなく視線をそらす。﹁きみの家族には、本当にすまないと思っている。だが、すべてが終わるまで、どんな話も漏らしたくなかった﹂ルドウィンは言葉を切る。﹁ルシタナの再来が現れて剣の魔力を解放したことは、世界中に伝わっている。世間に対する表向きの話は、もっともらしく聞こえるよう、真実と嘘を交えよう﹂﹁どんなふうに?﹂﹁そうだな、たとえば、実際グルバダは、ルシタナの再来を探して世界中に追手を放っていて、各地で怪しい輩が出没しているという
﹁ユナ﹂彼はいった。﹁世界中探しても、きみのようなひとはいない﹂ ユナは、息をするのを忘れる。﹁結婚してくれないか?﹂ 一瞬、すべての音が消え、ユナの心臓の鼓動も止まった。それから、